モラハラは遺伝するか?環境による影響は?
モラハラの連鎖は連鎖する
モラハラの加害者のほとんどは、生まれた瞬間からそのような性質を持ち合わせた訳ではありません。多くは、その人が置かれた環境下における影響が大きく、一つの人格形成に支障が出たことに起因します。
ここでは、これを読んでいるあなたが母親、と仮定してください。
多くのモラハラは夫婦間で言うなら夫の方が多く、家庭の規則を設けるのは夫となるでしょう。その規則を守らせるのは母親であるあなたです。
母親が夫からモラハラを受け、知らず知らずのうちにあなた自身がモラハラ体質に陥っていた場合、その子供はどうなるでしょうか?
自分の意見を押し殺し、正しいことを正しいと言えない、とても狭い思いをする家庭に陥ります。
それだけではなく、多感である幼少期をそのように過ごせば、将来に大きな影響を及ぼす恐れがあります。この時期をどう過ごすかで子供の人生が変わって行くと言っても過言ではありません。
子供へモラハラを目の当たりにする環境、もしくはモラハラの被害者になりうる環境があったら、その子供が大人になった際は誰かを苦しめてしまう加害者側に形成されているかも知れません。
モラハラは、連鎖してしまう恐れがあります。
これを読んで「ドキッ」とした方は健全で正常です。是非その視点を持ち続けるようにしてください。
遺伝ではなく家庭環境による影響が大きい
モラハラが日常化している家庭では、被害者は加害を黙認しています。それを見届ける子供は、幻滅に近しい感情を覚えます。
それと同時に、加害者が被害者へ攻撃的になってしまうのは、ある種致し方無いという感情を持ってしまいます。
もちろん、本来は逆です。加害あっての被害であり、被害側が反動をする気力が無いからそのように見受けられるだけなのです。
被害者側と加害者側、両面の行動や発言を子供は吸収してしまいます。
数年先、または将来的に、加害者側に転じることもあれば、被害者側に転じてしまうこともあります。
例えば、子供うちでのコミュニティでは、いじめの加害者側になったり、逆に「自分はいじめられえてもしょうがない」とあきらめの境地に立って、いじめ被害者になってしまったりします。どっちになってしまう可能性もあるという事です。
では、モラハラは遺伝するのか?と言う事ですが、先述の通り、遺伝よりも育っていく環境面からの「学習」の側面がほとんどです。
この環境を想像するのは容易かと思います。子供が被害者と加害者両者の顔色を伺って生活をするという、自己の意思すら持ち合わせることのできない、とても窮屈な子供らしくない状況のことです。
被害者親の側面からすれば、「いい子に育っている」と思われがちなので危険です。
一方で、正しいことは正しいと、間違っている事は間違っていると認識できる自我をきちんと持った子供であれば、加害者に指摘することもあるでしょう。
そうなると加害者は不愉快になり、自分の思った通りになるように子供へも束縛を始めます。怒鳴ったり、時には被害者へ躾がなってないと理不尽な発言も目立つようになります。
表面的に、加害者が子供へ躾をしているように見えても、それは実は、周りからは良い親に見えるようありたいという自己欲求の表れに過ぎず、本当に子どもの為に尽しているわけではなかったりするのです。