職場のモラハラ

 

職場のモラハラ

 モラハラは職場でも頻発します。モラハラ加害者は人の尊厳を傷つけて、その人を退職せざるを得ない状況に追い込んだり、精神的に深く傷つけたりします。

 

職場のモラハラの特徴

 職場のモラハラは、言葉や態度、身振りだけでなく、文書やメールによっても行われます。
 さまざまな関係において行われ、とりわけ、上司から部下に対する醜行が目につきます。
 職場のモラハラの方法は大きく2つに分かれます。1つは権力の乱用、もう1つは陰湿な精神攻撃です。
 権力の乱用は、目に見える形で行われるので、被害者はそれを受け入れてないことが多く、まだ抵抗の余地がまだあるといえます。
 一方、陰湿な精神攻撃の方は、誰にも知られない形で行われ、執拗に繰り返されるうちにエスカレートしていき、被害者に重大なダメージを与えます。

 

職場モラハラの過程

 職場のモラハラは次のような過程で進んでいき、被害者が退職に追い込まれることも少なくありません。

  1. 被害者への謂れのない非難。「性格が悪い」「頭がおかしい」など。
  2. 被害者へ責任を全て押し付ける。
  3. 攻撃が悪化するにつれ、被害者は本当に精神や行動がおかしくなってくる。不注意になったり、能率が悪くなったりする。
  4. 被害者は「仕事ができない」というレッテルを貼られる。
  5. 仕事上の失敗や能力の欠如を理由に、雇用者から退職を迫られる。

 

職場のモラハラの被害者になりやすい人

 職場のモラハラの被害者になりやすい人は、能力があり、残業も休日出勤も辞さない、いわゆるワーカホリックと呼ばれる人です。もともと、精神的な脆さはありません。
 しかし、モラハラを受けていくうちに、だんだん弱っていき、自分でも「精神的に脆いのではないか」「仕事の能力が低いのではないか」と思うようになっていきます。最終的には自ら退職してしまう人も少なくありません。

 

職場のモラハラのパターン

上司が部下に行うモラハラ

 特に失業率が高いような状況であれば、労働者は職を失わないように、上司のいうことを何でも受け入れようとします。上司は権力を乱用し、部下を押さえ込みます。企業側もそのほうが都合がよいこともあるので、見て見ぬふりする傾向があります。
 上司は権限を利用して、部下に過大な要求をします。もし従わなければ、権力を守るために嫌がらせをします。さらに、上司が自己愛が強い、自己愛性パーソナリティ障害のようなタイプの人間であれば、その醜行は助長されます。自分の優秀さを証明するために部下を貶めたり、自分の成功のために部下をどこまでも利用しようとします。
 また、そういう上司は自分に都合が悪いようなことがあると、部下の中からスケープゴートを選んでその人のせいにして、あまつさえ周りを巻き込んで攻撃したりします。

 

同僚が同僚に行うモラハラ

 組織の中では違いがある人を好ましく思わない傾向があります。例えば、男性のなかの女性、女性のなかの男性、学歴の違い、出身地の違いなど、その数は枚挙に暇がありません。同僚が同僚に行うモラハラにおいては、多数派が集結して、違いのある人を精神的に追い込んで退職させようとしたり、深く傷つけようとします。出世のために、自己愛的な欲求を満たすために、相手を蹴落とそうとします。
 本来、このような問題には上司が率先して鎮静させるべきです。しかし、被害者はこの状況を改善してほしいと上司に訴えても、取り合ってもらえないことが多いのです。なぜなら、既に加害者たちが口裏を合わせて、「あの人は虚言癖がある」などと伝え、上司を取り込んでいることが少なくないからです。また、上司がどう扱っていいのか分からないというのもあります。下手に被害者の肩を持って、えこひいきしているなどと変な噂を立てられかねないからです。
 被害者が病気がちになり、産業医に相談したとします。産業医は状況を重く見て、上層部に意見をします。しかし、それでも上層部が動かないケースもあるのです。そこには、精神的に病んでしまうような職場と認めたくないという上層部の思惑が働いているのです。

 

部下が上司に行うモラハラ

 かなり稀なケースですが部下が上司に行うモラハラも存在します。
 文化も風習も違う外部から突然管理職として配属されて、その部署のやり方に一切合わせようとしない。そんな場合は、部下たちから敬遠されて、モラハラに発展することもあるでしょう。部下たちが徒党を組み、伝言を伝えなかったり、大事な文書を隠したりといった嫌がらせをします。次第に上司は疲れ果て、精神的に病んでしまい、退職に追い込まれることも少なくありません。

 

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