職場のモラハラの具体的な行われ方

 

職場のモラハラの具体的な行われ方

 職場のモラハラの具体的な行われ方を紹介します。

 

相手を心理的に縛り付ける

 さまざまな方法をとって、相手を心理的に縛り付けようとします。次のような方法で、モラハラ被害者を縛り付け苦しめます。

  • 取るに足らないことで揚げ足を取る。
  • 怒鳴りつける。
  • 仕事中監視する。
  • 仕事の期限を厳しくする。
  • 必要な情報を与えない。
  • 反抗すればより厳しくする。

 こういったことを繰り返していくと、次第に、被害者は何が正しいのか分からなっていき、何でもいうことを受け入れるようになっていくのです。

 

直接的なコミュニケーションを拒否する

 モラハラ被害者は、なぜ自分がそのような仕打ちに遭うのか確認したくなります。そこで、加害者に説明を求めようとします。
 しかし、加害者はそれをしようとしません。加害者は被害者のこと認めません。まるで本人が存在しないかのような態度を取ります。挨拶をしなかったり、物を扱うかのように接したりします。このようなことが続くと、被害者は判断や行動ができなくなります。
 判断や行動ができなくなるどころか、逆に「自分が悪いのではないか」と思うようになり、自信を失います。やがて、自分の身を守ることも諦めてしまうのです。

 

仲間はずれにする

 故意に孤立させて仲間はずれにする方法は職場のモラハラでよく見られるパターンです。
 1つの方法としては、その人を極端に贔屓することです。そうすると、その人は周囲の嫉妬を買い、次第に孤独になっていくのです。つまり、加害者は直接手を汚さずに攻撃することができるのです。
 もう1つの方法としては、本人にとって必要な情報をわざと与えないようにすることです。例えば、会議に呼ばなかったり、大切な人事移動の情報を伝えなかったりするのです。
 孤独になった人はランチを1人でとったり、飲み会に誘われなくなったりします。短い間なら平気ですが、長く続くと酷いストレスとなります。嫌がらせで急に閑職に追いやられた人が自殺してしまったという例も少なくありません。

 

評判を落とそうとする

 モラハラ加害者は被害者の評判を落とそうとします。やり方は簡単で、とにかく周りの人に悪口を吹き込むのです。中傷や小さな噂を流したり、「あいつは○○なやつだ」とバカにしたりします。こういったことを続けることによって、職場では被害者への評判が少しずつ悪くなっていきます。周りからは軽く見られ、自信を失ってしまうのです。
 さらに良くないことに、自信をなくした被害者は妙にトゲトゲしくなりがちです。加害者はそれを「性格に問題有り」と指摘し、モラハラの正当化につなげるのです。

 

過大な要求をする

 遅くまで残らせたり、休みを取らせなかったりして、仕事を急がせます。その挙句、できた書類について罵倒したり、目の前で破り捨てたりするのです。

 

過小な要求をする

 本人の能力に合わない仕事をさせます。例えば、修士号までとっているのに長期間、極簡単な作業しかさせないなどです。能力に自信を持っていた分、尊厳を傷つけられます。

 

物理的に攻撃してくる

 精神的な攻撃でなく、偶然を装って、中途半端に物理的な攻撃をしてきます。足の上に物を落としたり、すれ違いざまにぶつかったり、靴の踵を踏んでつまづかせたりします。非常に幼稚です。が、何度も何度も繰り返されると、精神的にもまいってしまいます。

 

挑発して怒らせる

 あからさまに評判を落とそうとしたり、謂れなき非難をしたりします。衝動的な人なら反発して、攻撃的な行動をとります。
 そうなれば加害者の思う壺です。加害者は攻撃的な行動を逆手に取り、「やっぱりあいつはおかしいやつだ」と吹聴するのです。

 

セクハラをする

 セクハラ(セクシュアル・ハラスメント)は、モラハラの進んだ形で現れることが多いです。異性を性的な”モノ”としてみなします。拒んだら職場内での立場を悪くするぞと脅したり、実際に立場を悪くしたりするのです。
 セクハラには次のようなパターンがあります。

  • 相手を誘惑する。
  • 権力によって脅し、性的なことを強制する。
  • 性的な関心を注いだり、性的な関心があることを伝えたりする。
  • 体に障ったり、性的な言葉を投げかけたりする。